注意が必要な胸やけ症状
緊急性が高くない胸やけ
- 食べ過ぎ・飲み過ぎ、脂肪分の多い食事、原因が明らかな一過性の胸やけ
病院にいくべき胸やけ
- げっぷや呑酸(酸っぱいものが込み上げてくる)を伴う胸やけ
- 心窩部(みぞおち)の痛みを伴う胸やけ
- 就寝中に、酸っぱいものが込み上げてきて、胸やけで起きてしまう
これらの胸やけ症状は、胃潰瘍や逆流性食道炎などの消化器疾患によって起こっていることが疑われます。
可能な限り早めにご相談ください。
胸やけが発生する原因と疾患
胸やけの多くは、胃酸や食物などの内容物が食道に逆流したことにより、食道粘膜が傷つくことで生じます。通常食道と胃の間は噴門という弁を下部食道括約筋がしっかりと締め付け、胃の内容物が食道へ逆流しないようにせき止めています。
しかし、生活習慣や加齢、肥満や悪い姿勢などによる腹圧上昇、胃の知覚機能障害と運動機能の障害、何らかの器質的障害などにより、逆流しやすくなります。
逆流が長引いて食道粘膜に慢性的な炎症が生じると、胸やけ以外にも多様な症状がみられ、薬物療法により症状が軽快しても、根本的な原因が改善されなければ、何度も再発します。
そのため継続的な治療を受ける以外にも、患者様自身で次のような生活習慣を改善しましょう。
- 食事は腹八分目に抑える
- 脂っぽいもの、油物を減らす
- 寝る2時間前までには食事を終える
胸やけは、逆流性食道炎だけでなく、機能性ディスペプシア、胃潰瘍、胃がんなどの上部消化管の機能的・器質的疾患でもみられます。
胸やけ程度ならとそのままにせず、ご相談ください。
胸やけの診断方法
胃カメラ検査
胸やけは様々な疾患の症状として起こり、逆流性食道炎や非びらん性胃食道逆流症以外にも、胃潰瘍や慢性胃炎、胃がんなどでもみられます。また、こうした上部消化管の疾患はどれも類似しており、原因を明確にする唯一の検査は胃カメラ検査です。当院の胃カメラ検査は、熟練の医師が丁寧かつスピーディーな検査を実施しています。患者様にかかる負担をできる限り減らせるように心掛けておりますので、お気軽にご相談ください。
胸やけの治療法
胸やけは胃酸分泌抑制剤によって改善できることがほとんどですが、症状が持続する場合や食道裂孔ヘルニアがある場合は胃酸分泌抑制剤の内服継続が必要となります。もちろん原因疾患の治療もあわせて行う必要があります。肥満や生活習慣など、根本となる環境要因の改善も必要です。当院では生活習慣を改善するためのアドバイスも行っています。
薬物療法
薬物療法では、ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)やプロトンポンプ阻害薬(PPI)などの胃酸分泌抑制剤を使用することで、比較的短い期間で胸やけ症状を改善できます。
胸やけを放置する危険性
一過性の胸やけは誰にでも起こり得るものですが、慢性的な胸やけ、症状が徐々にひどくなる胸やけは疾患が原因の可能性があります。
中でも逆流性食道炎を治療せずにそのままにしていると、食道粘膜がバレット食道に変性し、食道がんを発症する可能性が高まります。そのため、自覚症状があれば早めに受診することをお勧めします。